ユーチューバーの主な仕事内容
ユーチューバーの主な仕事内容はYouTubeに動画を配信すること。ここでは、ユーチューバーがYouTubeに動画を投稿するまでのおおまかな流れについて紹介します。
企画を考える
まずは動画の企画を考えることからスタート。例えば以下のようなことをヒントに企画を考えます。
- 自分の特技や資格を活かす
- 流行やトレンドを取り入れる
- 新しいことにチャレンジする
- 人気のある動画を参考にする
自分が得意なことやその時に流行っていることを意識して企画を考えると、視聴者にとっても受け入れやすくなるでしょう。
人気のある動画を参考にする場合はまねするのではなく、あくまでも参考に自分のオリジナルの企画を考える必要があります。
構成を考える
動画の企画が決まったら、次は構成を考えます。あらかじめ、全体の流れを決めておくことで視聴者にも動画の目的が伝わりやすくなるのです。
おおまかに以下のような流れで構成を決めましょう。
- 動画の趣旨・目的を伝える
- 動画の本編
- 動画のまとめ
- 次回の動画・チャンネル登録への誘導
構成がしっかりできていないと、視聴者は動画の途中で飽きてしまったり、動画の目的が分かりづらかったり、印象に残らなかったりします。視聴者に楽しんでもらえるよう、短い動画であっても必ず構成を決めてから撮影に入りましょう。
動画を撮影する
動画の撮影に専用のカメラは必要ありません。スマホさえあれば、カメラと同等のクオリティでの撮影が可能です。
室内で撮影するのであれば第一印象の決め手となる「明るさ」に注意しましょう。机上に置ける安価なライトを使用するだけでも十分です。屋外で撮影するのであればジンバルのような手ブレ防止のアイテムがあると視聴者が見やすいでしょう。
動画を編集する
次に動画の編集です。基本的な動画の編集であれば、こちらもスマホで対応可能。トリミング、再生速度の変更、テキスト挿入、別シーン挿入、BGM挿入といった基本的な編集項目であれば、動画編集アプリを使って編集作業ができます。
初心者には難しいと思われがちな編集作業ですが、まずはスマホで簡単にチャレンジしてみると良いでしょう。
サムネイルを作る
サムネイルとは、視聴者が最初に目にする、一覧表示に使われるアイコン大の画像のこと。動画を見なくてもどんな内容なのか分かるように、縮小画像で表示します。
サムネイルはパソコンでもスマホでも作成可能です。無料のアプリをダウンロードして以下のような手順で作成しましょう。
- 画像編集ソフトを準備する
- 人物や背景となる素材画像を用意する
- 画像を合成する
- 動画の内容を伝えるテキストを入れる
サムネイルの作り方で動画の再生回数が変わると言われるほど、ユーチューバーにとって重要な作業。視聴者はサムネイルの印象から視聴する動画を選びます。
たとえ中身がおもしろくても、サムネイルが魅力的でないと動画をクリックしてもらえないこともあるのです。
動画を公開する
編集済みの動画をアップロードしてYouTube上に公開します。パソコンからでもスマホからでもアップロードは可能。不特定多数の視聴者ではなく、限定的な人たちに見せたい場合は「限定公開」か「非公開」を選択できます。
ユーチューバーの年収
ユーチューバーの収入は、動画に挟まれた広告が再生される回数に比例して大きくなります。YouTubeで動画を見ようとするとまず広告が流れ、それを視聴者が見るたびにユーチューバーに収入が入るといった仕組み。
企業がYouTubeに広告宣伝料を払い、YouTubeはその広告宣伝料をユーチューバーに支払うといった流れです。そのため動画再生回数が多くなるほど、ユーチューバーの収入は上がります。
そして、動画に挟まれた広告を見た視聴者に商品やサービスを宣伝することで、間接的に企業側も利益を得られるのです。
広告収入以外にも、スーパーチャットといった視聴者からの寄付で収入を得ている人もいます。人気のユーチューバーほど動画再生回数が増えなくても、魅力的な動画を配信すれば、視聴者からの寄付が受けられる可能性があるのです。
他にも、視聴者が毎月一定料金を支払って好きなユーチューバーを支援するメンバーシップ制度や、企業とのタイアップ動画、グッズ販売などで収入を得ているユーチューバーもいます。
さまざまな稼ぎ方があるユーチューバーですが、その正確な平均年収は分からないのが現状です。その理由としては、ユーチューバーは新しい職業であることと、人気のユーチューバーと初心者とでは収入に大きな差があることが挙げられます。
本業ユーチューバーとしてYouTubeへの動画配信だけで生計を立てている人もいれば、兼業ユーチューバーとして本業の傍らでYouTubeへの動画配信を行っている人もいるでしょう。
ほとんど収入が入らない人から、年収数百万円、数千万円稼ぐ人まで大きな差があるのです。
ユーチューバーに求められるスキル
ユーチューバーにはどのようなスキルが求められるのでしょうか。
企画力
ユーチューバーには、視聴者を楽しませる内容を次々と企画する力が求められます。ただ自分が撮りたい動画を配信するだけではなく、視聴者がどんな企画を求めているか、世の中のトレンドはどうなっているか、見極める必要があるのです。
そのためユーチューバーは、常にアンテナを張って流行を取り入れると同時に、流行りの先駆者を目指すだけの企画力が求められるでしょう。
編集力・演出力
ユーチューバーは動画の編集スキルが求められるでしょう。人気ユーチューバーは、どこにテロップを入れるか、どんな効果音をどのタイミングで入れるか、どこでカットするかなど、細部にまでこだわって作り込んでいます。
編集作業自体は簡単にできますが、どう編集するとおもしろいかを考えながら、視聴者をひきつけるような演出をする必要があるのです。同じ内容の動画であっても、どんな編集・演出をするかで視聴者のウケは変わってくるでしょう。
人気のある動画を視聴して、編集方法について学ぶことも必要です。
継続力
ユーチューバーには、コツコツと動画を撮影して配信する継続力が必要です。一度面白い動画を配信しても、しばらく間があいてしまえば視聴者に忘れられてしまうでしょう。瞬発的に人気が出なくても、継続して配信することでじわじわとファンがつくこともあるのです。
人気ユーチューバーも最初から注目されていたのではなく、諦めずにコツコツと継続して動画を投稿してきたからこその成功と言えます。
ユーチューバーに役立つ資格
ユーチューバーになるために公的な資格は必要ありません。しかし持っていると有利になる資格もあります。
YouTube認定資格
YouTube認定資格とは、YouTubeを利用して活動する個人や企業が、チャンネルの作成、成長、最適化、収益化について学ぶための認定試験でGoogleが主催しています。
YouTubeのシステムやツールに関する知識や使用方法を習得している証明にもなるため、取得しておくとユーチューバーとして活躍する際にプラスとなるでしょう。Googleアカウントを持つすべての個人・企業が受験可能です。
画像処理エンジニア検定
画像処理エンジニア検定とは画像情報教育振興協会が実施する民間資格です。
ベーシックとエキスパートの2種類があり、ベーシックは画像処理における基本的な知識をもっていれば合格できるレベル。エキスパートはより専門的な知識が必要になるため、十分な対策が必要になるでしょう。
年齢や学歴に制限はなく、誰でも受験可能です。
無人航空従事者試験(ドローン検定)
ドローンパイロットの資格を持っていると撮影できる動画の幅が広がります。ドローンは資格を所持していないと撮影できない場合も。国土交通省に飛行許可を出す際に添付する証明書がもらえるため、屋外での撮影をしたい人は特にドローン検定を取得しておくと活用できるでしょう。
また、ドローン検定に合格した証であるロゴを名刺やホームページに掲載できます。試験内容は、ドローンの専門用語から基礎知識、航空力学、飛行の特性などさまざま。専用の検定対策テキストを公式サイトから申し込んで勉強することをオススメします。
ユーチューバーの仕事の厳しさ
今や幅広い年齢層が憧れる職業ユーチューバー。仕事をする上で大変なことはあるのでしょうか。
手間も時間もかかる
ユーチューバーの主な仕事である動画配信は、手間も時間もかかります。1本の動画は10分程度。ジャンルや内容により差はあるものの、編集するのに4~5時間程度かかる人もいます。さらには企画・構成を考え、撮影するのにも時間がかかるのです。
そして視聴者にとっておもしろい企画、収入につながるような内容を考え、凝った編集をするとなると、かなりの手間もかかるでしょう。
動画を毎日配信するのは、骨の折れる作業なのです。1日の大半をYouTubeの制作にあてる覚悟で臨んでも、決して簡単なことではありません。
稼げない
ユーチューバーは稼げるイメージがあるかもしれませんが、それは一部の人気ユーチューバーに限ったこと。ほとんどの人はコツコツと動画を配信してもなかなか収入につながりません。再生回数が収入に直結するため、稼ぎ続けるためには人気のある動画を作り続けなければならないのです。
YouTubeの広告収入は1回の再生で0.05~0.1円程度とされており、単純計算で月に100万回再生されても5~10万円しか得られないのが現実。100万回の再生は初心者には高いハードルです。
また、一つの動画だけで再生回数を稼ぎ続けるのは初心者には難しいため、新しい動画を配信し続けなければならない大変さもあるでしょう。
責任が重い
ユーチューバーは動画をインターネット上に公開することから、その発言や行動には責任が伴います。有名人のSNSがしばしば炎上することがありますが、一般人であってもインターネット上に発信した発言や言動で人を傷つけたり、不快な思いにさせたり、悪い影響を及ぼしたり、それによって批判されたりする可能性があるのです。
YouTubeに動画をアップすることは、不特定多数の人に情報を発信すること。人気ユーチューバーでなくても、それなりの影響力があり、個々のモラルが問われることを忘れてはいけません。
ユーチューバーに向いている人
華やかなイメージのあるユーチューバーでには、どのような人が向いているのでしょうか。以下に詳しく解説します。
得意なこと・個性がある人
得意なことがある人や個性のある人は、ユーチューバーに向いていると言えます。スポーツ、メイク、ファッション、料理、ゲーム、トークなど誰もが持っているような特技で構いません。
それら全てがユーチューバーにとってはネタとなり、武器となります。好きなことや得意なことをとっかかりにすれば企画も作りやすく、動画配信をスムーズに始められるでしょう。
人を楽しませるのが好きな人
ユーチューバーに向いているのは、人を楽しませるのが好きな人。ユーチューバーとして生計を立てるためには、視聴者を楽しませる工夫や努力がとても大切です。
視聴者が何を求めているか、どんなことをすれば楽しんでもらえるか、どんな情報が役に立つか、といった視点で企画を考える必要があります。動画を楽しんでくれる視聴者が増えて、固定のファンが少しずつ増えていくのです。
自分が楽しいと思った内容をただ披露するだけでは、視聴者が飽きてしまう可能性もあるでしょう。自分の得意なことや好きなことを表現することで、多くの人を楽しませたいといった発想のある人がユーチューバーに向いているのです。
根気がある人
ユーチューバーの仕事は、根気のある人が向いていると言えます。動画配信をスタートして始めのうちは、ほとんど収入がない、成果が見えづらい、といった我慢が必要な時期。
それでも根気強く動画を撮り続け、継続して配信した人が一握りの人気ユーチューバーとして成功しています。その間は十分な収入がないため、本業を他に持ちながらYouTubeへの配信を継続しなければ生活ができません。
またユーチューバーの仕事は、地道な作業がたくさん。視聴者が喜ぶ企画を何時間も考えたり、撮影終了後の編集は細かい作業も多く、根気がいるでしょう。そのため、コツコツと地道な作業を根気強く継続できる人がユーチューバーに向いているのです。
ユーチューバーになるには
ユーチューバーになるのに必要な資格や学歴はありません。では、どのような手順を踏めばユーチューバーになれるのでしょうか。
チャンネルの開設
ユーチューバーになる第一歩は、YouTubeのアカウントを作成して、自分のチャンネルを開設することです。新しいチャンネルの開設は無料。以下の手順で簡単にできます。
- Googleのアカウントを作成する
- YouTubeのアカウントを作成してログインする
- 自分のチャンネルを開設する
自分のチャンネルを開設したら、アイコンを設定したり、概要を入力したり、チャンネルをカスタマイズしておきましょう。
動画をアップロード
チャンネル登録ができたら、YouTubeに動画をアップロードできます。YouTubeにログインし、「動画をアップロード」を選択しましょう。
次に下記のような設定を行います。
- タイトルの設定
- 動画の説明を入力
- サムネイルの選択
- 再生リストの選択
- 視聴者の設定
これらのような細かい設定を全て完了すると、アップロードした動画を全世界に公開できるのです。
パートナープログラムの登録
動画をYouTubeにアップロードしただけでは収益化はできません。収益化するためには、YouTubeが提供する「YouTubeパートナープログラム」に参加する必要があります。
YouTubeパートナープログラムとは、動画再生時にさまざまな広告を表示することで、収益が発生する広告システム。ユーチューバーとして生計を立てていくには参加すべきプログラムと言えるでしょう。
YouTubeパートナープログラムに参加する条件は以下です。
- チャンネルの過去12カ月間の総再生時間 4000時間
- チャンネル登録者数1000人
- 18歳以上であること
- 広告掲載に適したコンテンツであること
YouTubeパートナープログラムに参加し、動画配信から収益を生み出す仕組みが整うことで、職業としてのユーチューバーデビューとなるでしょう。
ユーチューバーのキャリアパス
ユーチューバーとして収益を生み出せるようになったら、次にどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。
「ユーチューバー」と言っても、YouTubeへの動画配信だけで生計を立てている人もいれば、会社員の傍ら副業として動画配信をしている人もいます。芸能人やタレント、起業家がユーチューバーとして活躍するケースも増えてきました。
また、ユーチューバーとして知名度を上げてから、別のビジネスを起業したり、タレント活動を始めたりする人もいます。
一方で、ユーチューバーは常に新しい企画を考え、動画を配信し続ける必要がある仕事。何十年もユーチューバーだけを仕事にして生計を立てていくには人気や収入が不安定な面も否めません。収入源をユーチューバーに一本化せず、そこから可能性を見つけ新たなチャレンジをしていくことも選択肢の一つでしょう。
このようにユーチューバーは、決まったキャリアパスがなく、さまざまな方面へと活躍の場を広げるための足がかりともなる職業と言えるでしょう。