- 公開日
- 2025.06.09
広告・出版・マスコミ業界
評価・満足度
- 平均年収
- 350万円
- 最高年収
- 1,200万円
- やりがい
-
4.0
- 給与・年収
-
3.0
- 専門性
-
4.0
- 将来性
-
3.0
- 休日・待遇
-
3.0
広告・出版・マスコミ業界のとは
「広告」「出版」「マスコミ」と聞いて、どんなイメージが浮かびますか?
実はこの3つの業界は、すべて「人に伝えること」を中心に動いている仕事です。商品を広める、考え方を届ける、社会の動きを伝える——私たちの毎日の暮らしに大きく関わる、情報のインフラともいえる存在です
この業界に向いているのはどんな人?
「自分にこの業界が合っているのか分からない」と悩む学生は多いものです。
でも、特別な資格やスキルよりも大切なのは、「人に伝えたい」という気持ち。ここでは、広告・出版・マスコミ業界で活躍している人たちに共通する“向いている人の特徴”を紹介します。
情報感度と発信力の高さ
この業界では、「世の中で何が話題か」に気づく力が大切です。
たとえば、SNSでバズっている投稿や、街中のポスター、ニュースの見出しなどから「今、みんなが気になっていること」をキャッチできる人は強みになります。
さらに、「これを誰かに伝えたい」と思える人もこの業界向きです。言葉、デザイン、映像など、どんな形でもOK。自分の表現で「伝える力」があれば、広告やメディアの世界で活躍できます。
行動力・好奇心・柔軟性
広告や出版、マスコミの仕事は、現場に出ることが多くあります。
取材や撮影に行ったり、人に話を聞いたり、時にはイベントを追いかけたりもします。動きながら学ぶ姿勢や、初対面の人に話しかける勇気が求められる場面も。また、テーマも日々変わります。政治からエンタメ、スポーツまで、あらゆる分野に関わるため、好奇心が強い人ほど楽しめます。
何が起こるか分からない世界だからこそ、「変化を楽しめる」「新しいことに飛び込める」柔軟な考え方も大切です。
主な職種と仕事内容(全体像の把握)
広告・出版・マスコミ業界には、さまざまな仕事があります。
どれも「伝える」ことを軸にしていますが、その手段や関わる人は大きく異なります。ここでは、3つの業界に分けて代表的な職種を紹介します。
広告系職種(コピーライター、マーケター、代理店など)
・コピーライター
広告の言葉を考えるプロ。人の心をつかむキャッチコピーを生み出します。
・マーケター
どのターゲットに、どんな広告を出すべきかを考える人。データやトレンドを読み解いて戦略を立てます。
・広告代理店の営業職
クライアントとメディアをつなぐ役割。広告を出す側と届ける側の橋渡しをします。
出版系職種(編集者、ライターなど)
・編集者
本や雑誌の記事を企画し、著者と一緒に作品を形にする人。構成を考えたり、原稿のチェックをしたりします。
・ライター
記事の執筆を担当します。取材をして情報を集め、それを読者にわかりやすく届ける文章にまとめます。
出版は、時間をかけて「深く伝える」ことが求められる世界。読者の心に届くコンテンツをつくる、地道で丁寧な仕事です。
マスコミ系職種(番組制作、報道、記者など)
・ディレクターやプロデューサー
番組全体の企画や進行管理を行います。
・記者・リポーター
現場で情報を集め、リアルタイムで伝える役割を担います。
・アナウンサーやキャスター
ニュースや番組を通して、視聴者に情報をわかりやすく伝える仕事です。
業界の構造と分類
広告・出版・マスコミ業界は、それぞれに独自の構造やプレイヤーが存在します。業界のしくみを知っておくことで、企業選びやキャリアのイメージがぐっと具体的になります。
広告業界のタイプ
出版業界は、「出版社」「編集プロダクション」「印刷・製本」「書店・ネット書店」が連携して成り立っています。
出版業界のタイプ
出版業界は、「出版社」「編集プロダクション」「印刷・製本」「書店・ネット書店」が連携して成り立っています。
マスコミ業界のタイプ
マスコミ業界は、大きく「テレビ」「ラジオ」「新聞」「ネットメディア」に分かれます。
伝える手段が多様化する中で、テレビとネットの融合など新たな動きも広がっています。
仕事内容を深掘り
広告・出版・マスコミ業界には、多くの職種がありますが、それぞれの仕事の流れや役割はかなり違います。
このセクションでは、「実際にどんなふうに仕事が進んでいるのか」を紹介します。より具体的に仕事内容を知ることで、「自分に向いているかもしれない」と感じられる職種に出会えるかもしれません。
広告業界の仕事とプロセス
広告業界の仕事は、「企画→制作→配信→分析」という流れで進んでいきます。
まず最初は企画の立案。クライアント(広告主)から「この商品を広めたい」と相談を受けた広告代理店が、どんなターゲットにどう伝えるかを考えます。ここではマーケターやプランナーの仕事が重要です。
次に、クリエイティブ制作の段階。コピーライターがキャッチコピーを考え、デザイナーや映像ディレクターが広告のビジュアルをつくっていきます。
そしてメディア選定と出稿。広告をどの媒体(テレビ・Web・SNSなど)に出すかを計画し、最適なタイミングで発信します。
最後は効果測定と分析。広告を見た人がどれだけ反応したか、売上やクリック数がどう変化したかを数値で確認し、次回の改善につなげます。
出版業界の仕事とプロセス
出版業界では、本や雑誌、電子書籍などの「中身」をつくる仕事が中心です。
中でも大きな役割を担うのが編集者です。
編集者の仕事は、まず企画の立案から始まります。世の中のニーズや流行をふまえ、「どんな本・記事が読まれそうか」を考え、著者に執筆を依頼します。
次に原稿のやりとりと編集作業。書かれた文章に誤字脱字がないか、分かりやすい構成になっているかなどをチェックし、必要に応じて修正を提案します。
その後はデザイン・レイアウトの調整。読者が手に取りたくなるような表紙や、読みやすい紙面づくりも重要なポイントです。
そして最後に、印刷・校了・流通と続き、実際に店頭やネットで発売されます。
出版の仕事は「時間をかけて、じっくり読まれるコンテンツ」をつくる職人のような仕事です。
マスコミ業界の仕事とプロセス
マスコミ業界は、ニュースや番組をつくって放送・配信する仕事が中心です。仕事のスピード感と現場力が求められます。
まずは企画・リサーチ。どんなニュースやテーマを取り上げるかを話し合い、必要な情報を集めます。記者が現場で取材をしたり、リポーターが中継に行くのもこの段階です。
次に構成と台本作成。番組であれば、どういう順番で進めるか、どんな映像やコメントを入れるかを決め、台本にまとめます。
続いて撮影・収録・編集の工程へ。カメラマンやディレクターが撮影を行い、編集スタッフが見やすく分かりやすい映像に仕上げます。
最終的には放送・配信という形で多くの人に届けられます。近年はテレビだけでなく、YouTubeやニュースアプリでも多くの番組が配信されるようになりました。
マスコミの現場は、速報性と正確さの両立が求められる緊張感のある仕事です。
業界の現在と将来性
広告・出版・マスコミ業界は今、大きな変化の中にあります。紙からデジタルへ、テレビからSNSへと「伝える手段」がどんどん広がっている今、これからの働き方や活躍の場も変わりつつあります。未来に向けて、どんな可能性が広がっているのか見ていきましょう。
デジタルシフトと変化の背景
- 雑誌が紙から電子書籍に
- CMがテレビからYouTubeへ
- ニュースが新聞からスマホアプリへ
こうした変化の背景には、「情報の受け取り方」が変わったことがあります。今の人は「必要なときに、自分で探す」スタイルに慣れており、それに合わせた発信が求められるようになりました。
デジタル化は一見ハードルが高そうに思えますが、若い世代にとってはむしろ親しみやすいフィールド。SNSや動画制作の経験が、就活でも強みになる時代です。
技術進化と今後の展望(SNS、電子書籍、AIなど)
これからの広告・出版・マスコミ業界では、テクノロジーとどう向き合うかが大きなテーマです。
SNS運用:広告だけでなく、企業やメディア自身がSNSで直接発信する時代。SNSマーケターの需要が急増中です。電子書籍・Web連載:紙の本だけでなく、スマホで読める読み物が人気に。ライトノベルや漫画アプリも拡大中。
AI技術の活用:記事の自動生成、動画の自動編集、ユーザー行動の分析など、制作現場の効率化が進んでいます。ただし「人の感情を動かす力」は、まだまだ人間にしかできない部分。テクノロジーをうまく使いこなす感覚が、今後の業界で活躍するカギとなります。
働き方と職場環境のリアル
「この業界ってブラックなの?」と不安に思う人も多いかもしれません。確かに、納期や放送時間など厳しい一面はありますが、企業によっては柔軟な働き方を取り入れているところも増えています。ここでは、広告・出版・マスコミ業界でのリアルな働き方を見ていきましょう。
自由と厳しさ
この業界には、「アイデアを自由に出せる」「個性が活かせる」などクリエイティブな魅力があります。服装も比較的自由で、オフィスに音楽が流れていることもあります。
一方で、「締め切りが厳しい」「放送時間に遅れられない」といった緊張感もあります。特に取材や撮影がある仕事では、急な変更やトラブルにも対応しなければいけません。
フリーランスや副業
広告・出版・マスコミ業界では、フリーランスとして活躍している人も多くいます。
- ライターやカメラマン
- 映像編集者やナレーター
- デザイナーやSNS運用担当 など
会社に所属せず、自分のスキルや実績で仕事を受けるスタイルです。最近では、副業として週に1本だけ原稿を書く、土日だけ取材に出る、など柔軟な働き方も広がっています。実力と人脈があれば、働く時間も場所も自由に選べる業界ともいえるでしょう。
リモート・時間管理など
コロナ禍をきっかけに、この業界でもリモートワークが進みました。
編集者やライター → 自宅で原稿チェックや執筆
広告系 → 会議や企画をオンラインで実施
SNS担当 → チームチャットやクラウドで共同作業
ただし、撮影や取材など「現場に行かなければならない仕事」は今でもあります。
そのため、仕事の種類によってリモートと出社をうまく使い分けるハイブリッド型の働き方が主流になりつつあります。
仕事のやりがいと課題
広告・出版・マスコミ業界の仕事は、一見華やかに見える一方で、裏側には緻密な準備や厳しい納期管理など、地道な努力が欠かせません。
「やりがい」と「課題」は表裏一体。このセクションでは、実際に働いたときに感じやすい魅力と、大変な部分について正直に紹介します。
表現力と影響力のある仕事
この業界の最大のやりがいは、自分のアイデアや言葉が、人の心を動かすことです。
たとえば、ある広告が話題になり、商品の売上が伸びたり、感動を呼んだ映像がSNSで広がったり、自分の書いた記事に共感コメントが集まったり。一つの表現が誰かの行動や価値観に影響を与える瞬間に立ち会えること、それがこの仕事ならではの魅力です。
自分の伝えたいことが、社会や人の感情に届いたときの達成感は、他では味わえません。
短納期・高プレッシャーへの対応力
一方で、納期・放送時間・公開スケジュールとの戦いは避けて通れません。
広告なら「CMを1週間で仕上げてください」、出版なら「この本を1ヶ月で出したい」、マスコミなら「今夜のニュースで流す必要がある」といったように、時間に追われる仕事も多いです。
急な修正依頼や、トラブルへの対応も日常茶飯事。そういった場面でも落ち着いて対処できる冷静さとスピード感が求められます。
ただし、その分「仕上がったときの達成感」も格別。チームでの一体感や乗り越えた実感が、大きなやりがいにつながります。
メンタル面と成果主義との向き合い方
この業界は、成果が数字で評価されやすいという特徴があります。
- 広告ならクリック数や再生回数
- 出版なら売上部数やレビュー
- マスコミなら視聴率や話題性
評価が目に見えるぶん、プレッシャーを感じることもありますし、長時間労働や精神的なストレスがたまる人もいます。
だからこそ、自分自身のメンタルケアや、無理なく続けられる職場環境の選び方が大切です。最近は、企業も働き方改革に力を入れており、「無理なく、長く続けられるか」という視点も重視されるようになってきています。
就活対策と企業選びのポイント
広告・出版・マスコミ業界は、今も昔も学生からの人気が高い業界です。競争が激しい一方で、求められる人物像や企業ごとの選考スタイルをきちんと理解すれば、しっかり対策ができます。この章では、志望理由のつくり方から企業選び、選考のコツまで詳しく解説します。
人気の理由と学生の志望傾向
この業界が就活生に人気な理由は、やはり「クリエイティブな仕事ができる」「社会に影響を与えられる」「自分らしく働けそう」といったイメージが強いためです。
実際に志望動機として多いのは以下のようなものです:
- 「人の心を動かす表現がしたい」
- 「言葉や映像を通じて社会とつながりたい」
- 「文章を書くのが好き」
- トレンドを発信する仕事に興味がある」
特に「自分の想いを届けたい」という軸を持っている人は、この業界との相性が良いと言えるでしょう。
企業の選び方と求められる資質
広告・出版・マスコミといっても、企業によってスタイルや文化はまったく違います。
企画を重視する会社(アイデア勝負)
・分析や戦略に強い会社(データ重視)
・少数精鋭でスピードを重視するベンチャー系
・大手で分業が進んだ安定志向の企業
どこが自分に合っているかを考えるには、「やりたいこと」と「働き方」の両方から逆算するのがコツです。
また、どの企業でも共通して求められるのが、以下のような資質です:
情報に敏感であること
・自分の言葉で表現できること
・チームで協力できること
・変化を楽しめる柔軟性
インターン・選考傾向・対策
この業界では、インターンや選考を通じて「人物面」をよく見られる傾向があります。
特に広告・出版業界では「発想力」や「表現力」を重視する企業が多く、選考では次のような項目がよく出ます:
- 自己PR動画
- コピーライティング課題
- 面接でのフリートークや即興プレゼン
- グループディスカッション(GD)
マスコミ業界では「論理的思考力」や「時事への関心」もチェックされます。ニュース記事の要約や作文試験がある企業もあります。
まとめ
広告・出版・マスコミ業界は、「伝えること」を仕事にするプロフェッショナルが集まる世界です。
人の心を動かす言葉、思わず目を引くデザイン、社会を変えるニュース——どれも、この業界が持つ大きな力の一部です。
SNSや動画配信、電子書籍など、情報の届け方がどんどん進化する中で、求められる役割やスキルも変わり続けています。
でも変わらないのは、「何かを誰かに届けたい」という想いが、この業界の原動力であること。華やかに見える舞台の裏には、地道な努力と試行錯誤があります。
だからこそ、自分の仕事が人に届いたときの喜びはひとしお。
この業界で働くということは、「伝える力で、社会と人をつなぐ」という大きな使命を担うことでもあるのです。
学生へのメッセージ
広告・出版・マスコミ業界に興味を持ったあなたへ。
この業界は、学歴やスキルよりも「あなた自身が何を感じ、何を伝えたいか」が問われる世界です。
日々の中で「なんでこれ話題になってるんだろう?」と気づいたり、
「この言い回し、すごく刺さるな」と感動したり。
そんな小さなアンテナが、未来の仕事につながる第一歩です。情報があふれる今だからこそ、あなたにしかできない伝え方があります。
ぜひ、就活を通じて「自分が届けたい言葉・想い」に出会ってください。
その出会いが、きっとあなたの働く未来を輝かせてくれます