ライバーの主な仕事内容
注目の職種であるライバーは、具体的にどういった仕事をしているのでしょうか?
ライブ配信
ライバーの主な仕事内容は、ライブ配信すること。ライバーは「投げ銭」と呼ばれる視聴者からのギフトを収入源としています。定期的にライブ配信することで視聴者に覚えられ、気に入ってもらうと「投げ銭」がもらえるのです。
ライブ配信は以下の手順で行われます。
- ライブ配信アプリをダウンロード
- プロフィールの登録
- ライブ配信を開始
ライブ配信アプリの種類はとても多く、自身の得意とする配信ジャンルやユーザー数などを参考にして選択します。
ライバーは、YouTuberと同じでは?と思われるかもしれません。YouTuberは、撮影する機材や動画を編集する技術が必要となり、始めるには多少の勉強が必要です。一方、ライバーはスマホだけで配信できるため、誰でも簡単に始められます。
ライバーを始めるのは簡単でも、固定の視聴者を獲得するのは簡単ではありません。ライブ配信を毎日決まった時間に行う、視聴者が喜ぶ企画を考える、視聴者にとって役立つ情報を発信するなど試行錯誤して、固定のファンを作ることが収入アップにつながるのです。
イベントへの参加
ライブ配信するアプリの多くは定期的に期間限定のイベントを開催しています。イベントで良い成績を残せると、賞金や賞品がもらえ、収入も上がるため、ライバーの仕事だけで生計を立てることも可能になるでしょう。
もらったギフトの数を競うものや他のライバーのライブを視聴するといったミッションをクリアするものなど、イベントの内容はさまざま。
イベントに参加することで、新しい視聴者と出会い、知名度が上がるでしょう。特に初心者のうちは、初心者向けの簡単なイベントに参加して、イベントに慣れていきましょう。
広告・ポスター・雑誌への出演
ライバー事務所に所属すると、広告やポスター、雑誌への出演といった仕事が舞い込んでくることも。
ライバー事務所の母体は芸能事務所であることも多く、所属することで視聴者を増やせるようにマネジメントしてもらえるといったメリットがあります。ノウハウを共有できるライバー仲間とのつながりもできるでしょう。
ライバーの年収
ライバーの年収は、トップライバーと呼ばれる人気ライバー、ミドルクラスのライバー、初心者のライバーとでかなり差があります。
ライバーは、視聴者が配信者を応援する意味で課金する「投げ銭」が収入源です。中には視聴者数が一定の人数に達して初めて報酬が発生する仕事も。そのため、視聴者からの応援をより身近に感じられるのです。
他にもイベントに参加して賞金を稼ぐこともでき、ライバーの事務所に所属すれば時給が発生します。
トップライバーになると、多くのファンによる「投げ銭」が多いうえ、ライブ配信以外の仕事でも収入を得られるでしょう。中には一般の社会人では考えられないような高収入を得ているトップライバーも。
しかし、トップライバーになれる人はほんの一握り。ミドルクラスのライバーも多くはありません。
つまり、ほとんどのライバーが初心者に当たり、ファンがつかなければ全く稼げず、月収数千円もあり得る職業なのです。
ライバーに求められるスキル
ライバーにはどのようなスキルが求められるのでしょうか?以下に詳しく解説します。
話すスキル
ライバーには、話すスキルが求められます。人気のあるライバーは、多くがコメントがうまく、視聴者をひきつける話し方が特徴的。おもしろいだけではなく、不快感を与えない話し方や言葉遣いも必要です。
ダンスやメイクなどトークがメインではないライバーも、あいさつやコメント、視聴者に対するリアクションを丁寧に行うことで評価が上がるでしょう。
聞くスキル
聞くスキルもライバーには求められます。ライブ配信の内容は自由に決められますが、視聴者の声や要望に耳を傾け、求められていることを察して柔軟に取り入れることが大切です。視聴者からのコメントにきちんと回答することも忘れてはいけません。
また、自分のライブを視聴してくれるファンの名前を早々に覚えることや、アドバイスや感想を素直に聞けることも大事。こういった聞くスキルこそ、ライバーとして成功する人には必要です。
臨機応変な対応力
ライブ配信は生放送であるため、臨機応変な対応が求められます。配信中のトラブルや思いがけない出来事があった時こそ、その対応の仕方にライバーの人柄やコメント力が見えるのです。
機転の利く対応や反応ができるライバーは、トラブルでさえもプラスにしてライバーとして成功するでしょう。
ライバーに役立つ資格・スキル・経験
ライバーになるために公的な資格は必要ありません。しかし持っているとライバーとして有利になる資格もあります。
公式ライバー
配信アプリの運営元から公式として認められると公式ライバーになれます。公式ライバーになると、上位表示され露出が高まり、知名度があがることで収入を得るチャンスも増えるでしょう。
公式ライバーの資格を得るためには、3つの方法があります。
- 運営からスカウトされる
- オーディションやイベントで応募する
- ライバー事務所に所属する
魅力的な配信をしているライバーには運営側から声がかかることもあるでしょう。公式ライバーになるための応募を受け付けていたり、オーディションを開催していたり、運営会社とのコネクションはライバーのチャンスを広げます。
また、ライバー事務所に入ることで公式ライバーとなれば、撮影のサポートや配信内容のアドバイスがもらえるといったメリットもあるでしょう。
話し方・伝え方スペシャリスト
話し方・伝え方スペシャリストは日本能力開発推進協会が主催する資格。
相手に伝わりやすい話し方、専門的な内容を分かりやすく伝える力、相手の興味をひきつける表現力など、コミュニケーションを円滑に行うための知識やスキルを証明する資格です。
通信講座のカリキュラムを修了すると資格試験を受験できます。
アナウンス検定
アナウンス検定試験は、日本話しことば協会が主催する、発声や発音、アクセント、表現力、読む力などの幅広い知識が求められる資格。正しく美しい言葉の使い方、分かりやすい話し方が習得できるため、アナウンサーだけでなく、言葉を使う仕事全てに活かせるでしょう。
試験内容は、筆記試験に加えアナウンステストもあります。3級、2級の合格率は比較的高い一方で、1級はアナウンサーを目指す人向けなので十分な試験対策が必要です。
ライバーの仕事の厳しさ
誰でも簡単に始められるライブ配信ですが、ライバーの仕事ならではの大変さもあるでしょう。以下に詳しく解説します。
毎日配信が基本
ライバーの最も重要な仕事であるライブ配信は、毎日決まった時間に行うことがまず基本。ライブ配信には、配信頻度が高いほど人気を獲得しやすくなるといった特徴があります。
視聴者に覚えてもらうために、より多くの人に見てもらうために、毎日配信内容を考え、準備をしてライブ配信するのは簡単ではありません。
体調が思わしくなかったり、本業が忙しかったり、何となく気が乗らなくても地道に続けることが視聴者の心をつかむ上で大切です。
プライベートも注意が必要
ライバーは基本的に顔出し配信をするため、身近な人にも顔がバレる、本名がバレるといった問題もあります。プライベートで好感度の下がることをしてしまった場合も、視聴者にバレてしまえばすぐSNSで拡散されてしまうかもしれません。
ライバーはインターネットで顔や名前を配信している以上、プライベートでも気を使い、言動に注意を払う必要があるのです。
全て自己管理
ライバーは一人で簡単に始められると同時に、すべて自分で管理するといった大変さがあります。収入の管理はもちろん、時間の管理、体調管理も自分を律してやらなければなりません。
時間も場所も自由であるといったメリットもある反面、一緒に仕事をする同僚や教えてくれる上司もいないため孤独を感じることもあるでしょう。
ライバーに向いている人
始めてすぐに稼げる人もいると人気のライバーの仕事。どんな人がライバーに向いているのでしょうか?
特技のある人
何かしら人に披露できる特技のある人はライバーに向いています。歌や楽器、ダンス、ゲーム、料理、メイクなどは視聴者から賛同を得やすく、同じ趣味を持った人から応援されやすいでしょう。
これといった特技があれば、ライブ配信してみると、おもしろい、もっと見たいと感じた視聴者から支持され、収入につながるかもしれません。
人前に出るのが好きな人
才能や特技があっても、人前に出るのが好きではないとライバーは務まりません。不特定多数の視聴者に見られることに抵抗がない人、人前に出て目立つのが好きな人にライバーの仕事は向いていると言えます。
多くの人の目に留まり、人気が出たら、さらに多くのメディアに出演する可能性もあるでしょう。そのためライバーにとって、人前に出るのが好きという資質は大前提として必要なのです。
ポジティブ思考な人
ライバーにはポジティブ思考が重要です。地道に配信を続ける、孤独な作業は常に不安と向き合っているかもしれません。
最初はファンもいない中、自信なく不安な気持ちでスタート。頑張って考えたライブ配信に興味を示さない人も、批判する人もいるでしょう。これを配信したら批判されるかな、失敗したらどうしよう、と悩んでしまうとやがて毎日の配信が苦痛に。
しかし、ライバーという職業に魅力を感じ、挑戦している以上、継続的な配信を続ける必要があります。不安な気持ちや周囲の批判に落ち込んでいる時間はありません。
ライバーはポジティブ思考の人、どんな時でも「次こそは!」と切り替えられる人に向いてる職業なのです。
コツコツと継続できる人
人気のあるライバーは、毎日決まった時間にライブ配信しています。
初めは誰しも視聴者もファンもゼロの状態からスタート。それでもコツコツと地道に配信を毎日継続することで、多くの人の目にとまり、中には興味を持って次の配信を期待する人が出てくるのです。
次の配信がなかなか行われないと、期待を抱いた人もすぐに離れてしまいます。視聴者がいつ、どのタイミングで期待してくれたかわからないからこそ、継続した配信が大事なのです。
コツコツと毎日配信することで、少しずつ視聴者が増え、やがてそれが人気となり、収入となるでしょう。
ライバーになるには
資格や経験問わず誰でも目指せるライバー。どのようにしたらライバーになれるのでしょうか?
自分でライブ配信する
ライバーになるために、配信アプリをダウンロードし、配信を始めるのが一番簡単な方法です。
まず使用する配信アプリを選択。配信アプリは多数あってそれぞれに特徴があり、視聴者層も違います。そのため自分の配信目的にあったアプリを選びましょう。
例として、以下のようなアプリがあります。
- BIGOLIVE(ビゴライブ)
- 17LIVE(イチナナライブ)
- Pococha(ポコチャ)
- LINE LIVE(ラインライブ)
- ふわっち
- LIVE812(ライブハチイチニ)
- HAKUNALIVE(ハクナライブ)
- SHOWROOM
- MIX Channel(ミックスチャンネル)
- Live.me(ライブミー)
アプリをダウンロードしたら、アカウントを作成。アカウント登録が完了したらライブ配信が可能になります。まずは内容や構成、配信する時間帯などを決めて配信スタートです。
自分一人でライブ配信する大変さはありますが、ノルマもなく、配信内容も自由、自分のペースで始められるといったメリットがあります。
ライバー事務所に所属する
ライバーになるために、事務所に所属するといった方法もあります。近年、ライバーとして活躍する人が増えているため、ライバー事務所も増加の傾向です。
多くのライバー事務所は、ライブ配信のノウハウ提供や配信サポートをする代わりに、報酬の一部をマネジメント料としてもらう仕組み。
ただし、マネジメントノウハウを十分に持っていない事務所や、悪質な運営をしている事務所もあるため注意が必要です。配信内容の制限やノルマがあることも。
ライバー事務所を選ぶ際は、以下のポイントに注意し慎重に選びましょう。
- どのアプリを運営・サポートしているか
- 報酬体系とサポート内容のバランスは妥当か
- 運営会社は信頼できる会社か
- トップライバーが所属しているか
- 配信条件やノルマなど契約条件が自分の目的やライフスタイルに合うか
- 積極的にライバーを募集しているか
トップライバーを目指したい人、客観的なアドバイスやノウハウが欲しい人、一緒に頑張る仲間が欲しい人は、ライバー事務所に所属するのがおすすめです。
ライバーのキャリアパス
晴れてライバーとしてデビューした場合、どのようなキャリアパスがあるのでしょうか。
ライバーとしてのキャリアを考えた時、ライバーを本業にしてトップライバーと呼ばれるようになる、月収100万円を目指す、といった成功例がまず思い浮かぶでしょう。
自分でライブ配信しているライバーの場合、視聴者が増え、人気が出ればある程度の収入は期待できます。人気が出るとライバー事務所からスカウトがくるかもしれません。そこでライバー事務所に所属して公式ライバー、さらにトップライバーとなって高収入を稼ぐ、といったキャリアパスもあるでしょう。
ライバー事務所が持つコネクションを利用して、テレビや雑誌、ポスター、広告の仕事も依頼されるかもしれません。実際、一部の人気ライバーはタレントとして芸能活動をしています。
最初からライバー事務所に所属してライブ配信を始める場合は、ライバー事務所に所属するためのオーディションを受ける、もしくはホームページから自主応募します。合格するとライバー事務所の公式ライバーとしてライブ配信を始め、ライバーとしてのキャリアがスタート。
しかし毎日何年も何十年も、休みなく配信し続けるのも大変なことです。配信内容を考えるのも、配信に時間を割くのも、容易なことではありません。ライブ配信を休んでしまえば、すぐに視聴者は他のライバーの応援に移ってしまうとの厳しい現実もあります。
ライバーとしての成功の先に、どんなキャリアパスを描くのか、応援してくれる視聴者に何を提供するのか、ライブ配信を次のビジネスにつなげることを視野に入れると良いでしょう。
歌やダンスのライバーであれば、実際のライブに足を運んでもらえるよう視聴者に呼びかけること、メイクやファッションのライバーなら、自社ブランドの立ち上げやモデル、タレントなどの芸能活動につなげることも可能です。
ライブ配信における視聴者獲得のノウハウを、集客や起業など別のビジネスに活かすこともできるでしょう。