WEBライターの主な仕事内容
さまざまな働き方を選択できるWEBライターですが、ただ自分の思うがままに文章を書くだけの仕事ではありません。以下に、WEBライターの主な仕事内容について解説します。
事前準備・情報収集
WEBライターの仕事は、文章を書き始める前の事前準備が重要です。ターゲットは誰なのか、どんな情報を提供するか、どういった構成がわかりやすいか、読み終わった時にどんな状態になっていてほしいか、依頼主とのすり合わせを丁寧に行います。
企画を立てるところからWEBライターが担当することも。記事の流れや構成が決まったら、次は文章を書くために必要な取材や情報収集をしましょう。
わからないことがあれば、ネットで検索する、本で調べる、取材する、といった方法で正確な情報を集める必要があります。
記事のライティング
読み手にとって分かりやすいかどうかを常に意識しながら、情報を整理し文章をまとめます。
すでにある記事や文章をそのまま使うことは禁止されているため、情報を収集しながらも必ず自分の言葉でまとめることが必要です。WEBライターが画像を選定したり、入稿作業まで担当することも。
またWEBライターは、SEOを意識して記事を書く必要があります。
SEOとは「Search Engine Optimization」の略で、直訳すると「検索エンジンの最適化」。もう少し分かりやすく説明すると、「特定のキーワードで検索した際にいかに自分の記事を上位に表示させるか」です。
読み手の知りたい内容が盛り込まれているか、読み手にとって理解しやすい内容か、WEBライターはそれらを適切に文章で書くことでコンテンツの質を上げ、上位表示を目指します。
記事の提出と修正
記事のライティングが完了したら、必ず読み手の気持ちになって読み返して微調整します。文章の構成はおかしくないか、誤字脱字はないか、不自然な表現や間違いはないか、などの視点で確認をしましょう。
記事にはあらかじめ納期が決められているため、納期までに依頼主に記事を納品します。そして修正や加筆の指示があれば迅速な対応も必要に。
また、作成した記事が入稿されWeb上に掲載されたら、必ず内容を確認します。あらためて客観的に記事を読み返すことで書くスキルの向上につながるでしょう。
WEBライターの年収
WEBライターの年収は非常に幅が広いと言われています。それは、企業に属している正社員のWEBライター、フリーランスの WEBライター、副業WEBライターなど働き方や雇用形態が多様化しているから。
そして、給与の設定もさまざまです。記事1本に対して原稿料が決まっていたり、1文字あたりの金額が設定されていたり、正社員の場合は固定給となるでしょう。
また高いライティングスキルがあったり、自分の専門分野を持っていたり、有名人や認知度が高いライターは単価が高く年収も高くなる傾向に。
WEBライターは、働き方や雇用形態に複数の選択肢があります。それと同時に、経験や実績を積んだり、得意分野に特化したりと、年収アップのチャンスが多い職種と言えるでしょう。
WEBライターの求められるスキル
WEBライターになるために求められる能力・スキルについて以下に紹介します。
文章力
WEBライターの主な仕事は情報を整理し文章を書くこと。大前提として、正しい日本語で、誰が読んでもわかりやすい文章を書けるスキルが必要です。
さらには、テーマに沿って伝えるべき内容を表現できること、Webという不特定多数の人が見る場所で、ターゲットとなる人たちに届くような文章を書くスキルが求められます。
また、タイトルの付け方、漢字とひらがなのバランス、口調の統一、同じ語尾を連続して使わないなどといったテクニックも必要になるでしょう。
情報収集力
WEBライターは必要な情報を収集し、取捨選択する能力が求められます。
WEBライターというと文章を書くスキルを重要視されることが多いですが、「伝え方」の前に「何を伝えるか」をリサーチすることが大前提。誤った情報や不確かな情報を伝えないよう慎重に取捨選択する必要があります。
とくにネット上の情報はすべてが正しいとは限りません。時には書籍を調べたり取材をしたりと何が正しい情報なのか裏付けをとることも。
また、集めた情報をそのままの言葉で使用することは避けなければなりません。必ず自分の言葉にして伝える必要があります。
スケジュール管理能力
WEBライターには、スケジュール管理能力が必要不可欠です。ライティングの仕事には必ず納期が決まっています。在宅での案件であればなおさら、自分でスケジュールを管理しなければなりません。
納期を守るのは社会人として最低限のマナー。たとえ素晴らしい記事が書けたとしても、納期が守れないと依頼主からの信頼を失ってしまうことも。
依頼を受けた時点で納期から逆算して、情報収集にどのくらい時間をかけられるか、いつまでに文章を書き終えて、どのくらい見直しや修正に時間が割けるか、あらかじめスケジュールを立てておきましょう。
WEBライターに役立つ資格・スキル・経験
WEBライターになるためには、特別な資格や経歴は必要ありません。実際にライティングの仕事を始める際は資格よりも実務経験を問われることの方が多いでしょう。しかし持っていた方がよい知識や、学んでおくとスムーズに仕事が進められる資格も存在します。
ここでは、WEBライターに役立つ知識や資格について紹介します。
SEOの知識
WEBライターは、SEOの知識を持っておく必要があります。SEOとは、特定のキーワードを検索した時に、作成した記事をGoogleの検索エンジンで上位に表示させるためのテクニック。
SEOで評価されるようにするためには、読み手にとって役立つ内容を記事に載せて、かつGoogleにとって記事の質を評価しやすい体裁になるよう配慮することが重要になります。
その結果、検索結果で上位に表示されるようになるでしょう。Googleの検索エンジンは、200以上の要素を使って記事を評価。その要素は悪用を防ぐために非公開となっていますが、「読み手が求めているものを考える」といったビジネスの基本が求められます。
WEBライターがSEOの知識を十分に持っていれば、作成した記事が検索結果で上位に表示されやすくなります。そのためSEOの知識のあるWEBライターは、クライアントからも評価され重宝されるでしょう。
WEBライティング技能検定
WEBライティング技能検定は、「日本クラウドソーシング検定協会」が運営・発行している資格。合格すると、「WEBライティング実務士」の資格が取得できます。
クラウドソーシングで働くために必要なビジネスマナーや基礎知識、文章作成技術などが身につくため、未経験者や初心者はもちろん、基礎を学び直したい現役のWEBライターにもオススメの資格と言えるでしょう。
大手クラウドソーシングの「ランサーズ」や「サグーワークス」と提携しており、ランサーズで資格取得者として紹介されたり、サグーワークスのプラチナ報酬が永久5%UPといったメリットも。
WEBライティング能力検定
WEBライティング能力検定は、2009年に創設された「日本WEBライティング協会」が運営・発行している資格。
WEBライター未経験者・初心者向けの資格で、学べるのはWEBライティングの基礎や日本語、法律、SEOについてなどWEBライターになるための基礎。
WEBライティングに必要な技術があるかを問われる試験で、点数に応じて1~3級に認定されます。
日本語検定一級
日本語検定は、文部科学省が後援している資格で、日本語の総合的な能力を測定する試験です。
一級は社会人レベルで実践的な日本語力を身に付けられます。
正しい日本語力を身につけることで、WEBライターとして論理的な文章が書けるようになり、オリジナルの文章表現ができるようにもなるでしょう。
ビジネス著作権検定
ビジネス著作権検定とは、2004年から株式会社サーティファイが開催している著作権に関する知識を問う検定試験です。著作権制度についての初歩的・入門的な知識が身につき、ビジネスに活用するための能力を保有している証明にも。
著作権に違反した記事を書くことは、SEOの面で低評価を受けるだけでなく、ライター自身が責任を取る場合もあるため、WEBライターにとって押さえておくべき知識と言えるでしょう。
また上級合格者は、国家資格である「知的財産管理技能士」の受験資格が得られます。
WEBライターの仕事の厳しさ
WEBライターは未経験からでも始めやすい仕事。副業としてスタートしたり、学生や子育て中のママさんでも挑戦しやすい仕事と言えるでしょう。
しかし、WEBライターの仕事特有の厳しさがあるのも否めません。ここではWEBライターの仕事の厳しさについて解説します。
納期に厳しい
WEBライターの仕事は、初稿の提出、修正、入稿といったタイミングで締め切りが設定されており、納期は厳守しなければなりません。情報収集に時間がかかったり、なかなか思うように文章が書けなくても、納期までに必ず仕上げなければならないのです。
また、複数の案件を平行して書かなければならないことも。納期やスケジュールをそれぞれ管理しながら、納期前には残業してでも書き上げる必要があります。
最初は単価が安く稼げない
WEBライターは未経験からでも始められる職種である反面、実績が少ないうちは単価が低い傾向にあります。
もちろん正社員として固定給をもらうケースもありますが、クラウドソーシングで仕事を受注する場合は、未経験者は0.3〜0.5円程度の文字単価からスタートすることも。そうなると、3,000文字書いて900〜1,500円の収入です。
クラウドソーシングを利用するとそこから手数料も引かれるため、手にする報酬額はさらに低くなります。クライアントとの打ち合わせ、情報収集、文章を書く時間を考えると「割に合わない」と思う人も多いかもしれません。
とはいえ実績や経験を積むことで単価を上げたり、書ける記事本数も増えてくるはず。まずは実績や経験を積むといった目的であっても、低単価の仕事から挑戦してみる価値はあるでしょう。
安定して仕事を得るのが難しい
WEBライターが安定して仕事を獲得するのは簡単ではありません。もちろん正社員として雇用されている場合は固定給ですので安定して仕事はあるでしょう。
しかし、フリーランスや副業としてWEBライターを目指す場合は、クラウドソーシングサービスで常に案件を探して応募する必要があったりと、固定の取引先を見つけるまでに時間がかかることも。
とくに高単価案件になるほど、その記事による売上貢献や顧客獲得といった期待に見合った成果を出すのが難しいことから、継続受注しづらい現状があるのです。
また、正社員のWEBライターは安定的に報酬がもらえ、ライティングの技術を学ぶ機会があるといったメリットがある一方で、フリーランスや副業のWEBライターは、時間や場所を選ばない自由な働き方ができるといったメリットがあります。
年齢やこれまでの経験、希望の働き方に合わせて、WEBライターとしてのスタートの仕方も十分に検討することをオススメします。
WEBライターに向いている人
では、どのような人がWEBライターに向いているのでしょうか?
文章を書くのが好きな人
WEBライターは、もちろん文章を書くことがメインの仕事なので、書くことが好きな人が向いていると言えるでしょう。とりあえず指定された文字数だけ書けば完了ではなく、何度も修正を繰り返したりと常に文章を書くことが求められます。
文章を書くスキルについては、何度も書いているうちに上達していくので問題ありません。それよりも文章を書くのが「楽しい」「苦にならない」と感じられることの方が重要だと言えるでしょう。
他人の意見を受け入れられる人
WEBライターは素直に他人の意見を受け入れられる人が向いています。
自分が良いと思って記事を納品しても、依頼主から誤字脱字を指摘されたり、「もっとこうした方が良い」「ここを直してほしい」といった修正依頼がたくさん入ることも。
そこで反発したくなってしまったり、こだわってしまう人にはWEBライターの仕事は向きません。素直に他人の意見を受け入れ、柔軟に対応できる人がWEBライターに向いていると言えるでしょう。
好奇心旺盛な人
WEBライターは、新しいことを調べたり、じっくりと情報収集するのが楽しいと感じる好奇心旺盛な人が向いています。専門分野に特化したWEBライターもいますが、そうでなければさまざまなジャンルの記事を書かなければなりません。
旅行関連の記事を書いたり、コスメに関する記事を書いたり、家電を紹介する記事を書いたり。良く知っていることについて書くこともあれば、関心のなかったことを一からリサーチして書かなければならないこともあります。
そのため、どんなことにも興味・関心を持って取り組める人、好奇心の旺盛な人がライターに向いていると言えるでしょう。
WEBライターになるには
WEBライターは未経験からでも挑戦しやすい職種です。そのためチャレンジしようと考える人も多く、人気の職種と言えるでしょう。
ここでは、WEBライターになるための3の方法を紹介します。
企業のWEBライターを目指す
企業に社員またはアルバイトとして就職・転職してWEBライターを目指す方法があります。未経験であっても企業に属せば、必要な研修を受けられたり、編集部から直接フィードバックをもらってスキルを磨きつつ報酬も得られるのです。
たとえばWebメディア・アプリを運営している会社やIT企業、制作会社など、WEBライターを募集している企業をチェックし応募しましょう。学生であれば新卒採用はもちろん、インターンで経験を積むのもよいでしょう。
クラウドソーシングを利用する
ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサービスを利用するのも一つの方法です。
WEBライターはとにかく書いて実績を積むことが大切。単価が安い仕事であってもどんどん受注して実績を積むことで単価アップが目指せるのです。
もちろん初心者であってもスキル不要の案件に応募できますが、最初は報酬が低かったり、なかなか採用されないことも。そのため「子育ての合間に稼ぎたい」「副業としてWEBライターを始めたい」といった人にオススメです。
また、自分の得意分野の記事が書ける案件を探して専門性を高めたり、日頃からSNSやブログを利用して文章を書くことに慣れておくとよいですね。
メディアのWEBライターを目指す
メディアサイトで直接WEBライターの募集を探す方法もあります。求人サイトに載せていなくてもWebメディアで直接募集を掲載していることも。
自分が得意な商材を扱っているメディアや、気に入っているメディアでWEBライターを募集していないか確認しておくことをオススメします。
テストライティングがあったり、ポートフォリオの提出を求められたりと敷居が高く感じることもあるでしょう。しかし選考が通れば、継続して仕事を受注できる可能性もあるため、挑戦する価値があるのです。
WEBライターのキャリアパス
WEBライターのキャリアパスは選択肢が豊富です。
ライターの道を極め、フリーランスとして独立し年収アップを目指す人もいれば、編集者やディレクターとなって記事の修正・添削をしたり、ライターのマネジメントやメディアの運営・管理をする人も。
初心者のライターに記事の書き方や案件の受注方法などのノウハウを提供する講師になる人もいるでしょう。
WEBライターは書くだけの仕事ではなく、幅広くWEBの知識が身につく職業です。コツコツと地道な作業も多くありますが、自分の言葉が多くの人に届き、多くの人の役に立ったり、時には誰かを救う意義ある仕事。企
業の専属ライターやフリーランス、副業、スキマ時間の活用といった働き方の選択肢も豊富です。そしてキャリアパスも多岐に渡るため、自分にあった働き方、キャリアアップを目指せる職種と言えるでしょう。